HTMLの<blockquote>
タグは、内容が引用した文章であることを表します。<blockquote>
内のコンテンツは、他の場所から引用したものでなければなりません。
<p>ガンジーはこう言いました。</p>
<blockquote>
<p>明日死ぬかのように生きよ。
永遠に生きるかのように学べ。</p>
</blockquote>
👆基本的に<blockquote>
の中に、段落(<p>
タグ)を含める形で使います。
blockquoteタグを使うべき理由
次の理由から、引用文には<blockquote>
を使うべきです。
SEO対策のため
他のWebページでも同じ文章が掲載・引用されているかもしれません。その場合、検索エンジンがコピーしたコンテンツとみなしてしまう可能性があります。
<blockquote>
を使えば「どこからどこまでが引用文なのか」検索エンジンに伝えることができ、これらのリスクを避けることができます。
😾「blockquoteタグを使えば引用として認められる」わけではありません。必ず著作権で認められる範囲で引用を行うようにしましょう。
参考:著作物が自由に使える場合は?-公益社団法人著作権情報センター
マナーのため
引用文に<blockquote>
を使うのは、Webの世界のマナーです。他のブログ記事などのWebページから引用するのであれば、できればそのページへのリンクを貼るようにしましょう(後ほど具体的な例を紹介します)。
blockquoteタグの使い方
必須ではありませんが、<blockquote>
を使うときにはできる限り「どこから引用したのか」も示しておくべきです。
cite属性で引用元の「URL」を示す
Webページの文章を引用するときには、そのページのURLを<blockquote>
のcite
属性に載せます。
<blockquote cite="https://html.spec.whatwg.org/multipage/grouping-content.html">
<p>If the cite attribute is present, it must be a valid URL potentially surrounded by spaces.</p>
</blockquote>
👆この例のように<blockquote cite="引用元のURL">
となります。cite属性のURLは検索エンジンなどのプログラムのためのもので、ページには表示されません。言い換えると、読者の目には入りません。
😺引用文から引用するのではなく、原文が載っているWebページのURLを指定するようにしましょう。
citeタグで引用元の「名前」を示す
分かりづらいのですが<cite>
タグは、さきほどのcite属性とは別物です。<cite>
タグは「作品のタイトル」を表すために使います(この「作品」は、本、論文、音楽、ブログの投稿…等あらゆる制作物を指します)。
<blockquote cite="引用元のURL">
<p>The content of a blockquote may be abbreviated or may have context added in the conventional manner for the text's language.</p>
</blockquote>
<!-- 👇引用元の名前を書く -->
<cite>HTML Living Standard</cite>
👆<cite>
内のHTML Living Standard
が引用元の名前だと分かります。
歌詞の引用であれば<cite>曲名</cite>
、Webページであれば<cite>サイト名や記事タイトル</cite>
のようになるでしょう。
cite属性とは異なり、<cite>
タグ内のテキストは直接ページに表示されます。
️️✍️<cite>
タグは、引用文自体ではないため、<blockquote>
の外側に配置するようにします。
より引用元の名前を明確にする書き方
さきほどの書き方は間違いではないのですが、<blockquote>
の外側に<cite>
があるため「どの引用文に対する<cite>
なのか」分かりづらかったりします。<blockquote>
を複数並ぶと、混乱してしまいますね。
🤔どっちに対するciteタグ?
<blockquote cite="引用元のURL">
<p>引用文</p>
</blockquote>
<cite>引用元の名前</cite>
<blockquote cite="引用元のURL">
<p>引用文</p>
</blockquote>
<cite>引用元の名前</cite>
この問題は👇以下のように<figure>
を使って1つのまとまりを作ることで解決できます。
😊どこに対するciteか明確
<figure>
<blockquote cite="引用元のURL">
<p>引用文</p>
</blockquote>
<figcaption>
出典:<cite>引用元の名前</cite>
</figcaption>
</figure>
👆<figure>
で1つのまとまりを作って、その引用文に対する情報は全部その中に含めるようにします。この書き方はHTMLの仕様書にも載っています。
✍️<figcaption>
は親要素の<figure>
に対するキャプション(説明文)を表すタグです。<figcaption>
の中に<cite>
を含めることで「このまとまりに対するテキスト(cite)だよ」と示せるわけです。
引用元へのリンクを貼る
<figure>
<blockquote>
<p>..."HTML5" is widely used as a buzzword
to refer to modern Web technologies...</p>
</blockquote>
<figcaption>
<!-- 👇cite内のテキストをリンクに -->
<cite><a href="https://html.spec.whatwg.org">HTML Living Standard</a></cite>
</figcaption>
</figure>
👆他のWebページから引用するのであれば、読者が引用元へアクセスできるようにリンク(<a>
)を<cite>
タグ内に含めると親切です。
CSSでblockquoteのデザインを変える
また<figure>
タグと合わせて使う場合には、<figure>
もデフォルトで隙間が開くようになっていることに注意する必要があります。
サンプルCSS
これらのブラウザによるデフォルトのスタイルを解除しつつ、引用文らしく見えるサンプルコードを紹介します。
figure, blockquote {
margin: 0; /* ブラウザデフォルトの隙間をリセット */
}
.figure-quote {
padding: 0 0 0 0.5em; /* 左側に余白 */
border-left: solid 3px black; /* 左側に線 */
font-style: italic; /* 引用文を斜体に */
}
.figure-quote p {
margin: 0.5em 0;
}
.figure-quote figcaption {
text-align: right; /* 出典は右寄せに */
}
👆HTML<figure>
にclass="figure-quote"
を指定し、CSSでその中に含まれるblockquote
などのスタイルを整えています。
短い引用文にはqタグを使う
段落の中で部分的に引用が入るときには<blockquote>
ではなく<q>
タグを使います。
1つ〜複数の段落がまるっと引用文になるなら<blockquote>
を使い、文章の一部が引用文なら<q>
を使うと覚えておくと良いでしょう。[1]
<p>エジソンは<q>私は毎日、18時間働くことにしている</q>と言っていたそうです。</p>
👆ブラウザのデフォルトスタイルでは、<q>
の前後に引用マークがつくようになっています。この引用マークはCSSの疑似要素(:before
と:after
)により表示されています。
qにもcite属性を指定できる
<p>エジソンは<q cite="https://○○">私は毎日、18時間働くことにしている</q>と言っていたそうです。</p>
👆<q>
も<blockquote>
と同様にcite
属性で引用元のURLを指定できます。
<blockquote>
はいわゆる「ブロックレベル」の要素にあたり、<q>
はインライン要素にあたります。 ↩︎
こちらは主要ブラウザのデフォルトスタイル(特にCSSを指定しなかった場合の表示)です。
<blockquote>
にはあらかじめ隙間(margin
)が設定されており、<cite>
は斜体文字で表示されます。